日本で見られる赤トンボの種類は、全部で20種程と言われています。
見分けが大変難しいので、自分自身のために... (作成中 2008夏〜)



 ◆ 1. 羽の途中に色がある赤トンボ 
    <ミヤマアカネ : 1種のみ>     
 1-1   ミヤマアカネ
 羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス    
 メス      
  羽の途中に色があるアカネは、ミヤマアカネ1種のため、まず間違うことはありません。
羽の前先端にある紋?(四角な翼灯?)は、羽化直後は透明でその後次第に赤く色づいていきます。
(オス)

羽だけでも識別できるので、胸の黒線はあまり注意して見ることはありません。ほとんど黒線は目立ちません。

 ◆ 2. 羽が透明な赤トンボ 
    <ナツアカネ、アキアカネ、マユタテアカネ、マイコアカネ、ヒメアカネ、タイリクアカネ : 6種?>
 2-1   ナツアカネ
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス
         
 メス
           
  ナツアカネは羽化直後は黄色っぽいですが、秋には胸や顔面まで赤くなります。(オス)
胸の側面にある3本の黒い筋で見分け、黒い筋のうち真ん中の筋がナツアカネは途中で切れます。
良く似たアキアカネは、この筋の先端が細いので区別できます。

オスとメスの区別は、体色が赤くなるのがオスです。
オスも最初は黄色のため、初夏の頃は尾の先端で判断することになります。 なかなか尾の画像が撮れません。
メスも9月後半頃になると、腹部の上半分は赤くなってきます。 

 2-2   アキアカネ
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス 
       
 メス
           
  アカネ(赤トンボ)の中で、一番有名(ポピュラー)な種です。
ナツアカネとアキアカネは共に7月頃から発生すると言われていますが、アキアカネは、暑い夏期は涼しい高い山地で
過ごし、秋になって再び平地に戻ってくるようです。
成熟したアキアカネ(オス)でも、ナツアカネと違って胸部(下)は赤くならず黄色に見えます。
アキアカネのメスは、成熟したナツアカネのメスと体色が似ているので、胸部の黒線が重要な決め手になります。

胸部の3本の筋は、3本目(一番後)が、ナツアカネより太く、その分2本目と3本目が接近して見えます。
特に第3線の上部は三角条に前方の第2線側に突き出しているので、2線と3線がより接近して見える。

 2-3  マユタテアカネ 
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス
 メス
(透明型)
       
 メス
(ノシメ型)
     
  羽が透明な赤とんぼは多いですが、一番の特長は顔面の「マユ」でしょう。
胸部の黒い筋は太い第1線(肩)があり、2線と3線はナツアカネやアキアカネのようなハッキリした筋はありません。
2線3線の位置には、点に近いような短い線が3つ4つあります。
第1線の上部にある逆三角形の紋が、第1線とくっついている。(マイコアカネは、この三角紋が離れている)
オスの尾部先端は、上へ反り返っています。
8月頃に良く見られます。

マユタテアカネ(メス)は「羽の先端に色」(ノシメ型)にも分類しました。(先端に色がない場合もある)
つまり、オスの羽は透明ですが、メスの場合は透明なときと羽の先端に色がある場合があり、この点が一番難しいです。
決め手は、マユと胸部の黒線が頼りになります。

マユタテアカネとヒメアカネの胸部横の黒線は大変似通っているので、肩部背中の黒線を重視した方が良さそうです。
この辺りについては、ヒメアカネの項を参照。

 2-4   マイコアカネ   
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス          
 メス          
  羽が透明でマユタテアカネ(オス)などと似ていますが、顔面が青白いのが特長のようです。
顔面が青白いのはオスで、メスはマユタテアカネと似ています。
眉がないことと、第1線上部の逆三角形が離れていることがポイントです。
胸の側面の鮮明な画像が撮れると、マイコアカネとはっきりします。

黒い筋は、肩に太い1本と細くて川が流れるような2〜3本がある。
成熟したオスの腹部は赤色、メスはほとんど黄色に近い。
メスは、羽の付け根に若干色が着いていることもある。
顔面にマユタテアカネよりも小さい点(ブタ鼻まではいかない)が見れることも...


画像はヒメアカネのオスを画像ソフトで加工したもので、真のマイコアカネではありません。

 2-5   ヒメアカネ
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス    
 メス      
  赤とんぼの中では一番小さい。小さく、そして細い。
大変おとなしい性格で、活動範囲も狭く、池や湿地の周辺に生息する。

第1線(肩のところ)は、太くてはっきりしている。
マユタテアカネ(オス)に似ているがオスの顔面のマユはありません。(メスには眉があるらしい)
マイコアカネ(先端の斑紋なし)にも似ており、かなり特定が難しい。

マユタテアカネとヒメアカネの胸部横の黒線は大変似通っているので、肩部背中の黒線を重視した方が良さそうです。
背中の黒線は、肩線(第一線)を含む3本線があり、後ろが横につながっている。(横線がある)
つまり、真ん中に黒線があり、その両側に胸部第一線があり、3本の縦線となる。
そしてこの3本の縦線の後ろの方に横線があるとヒメアカネ、横線がないとマユタテアカネということにしよう。
(今後の課題)

尾の先端は、マユタテアカネほど上に反り返らない。

 2-6   タイリクアカネ
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス          
 メス          
  やや大きめの赤トンボで、胸の第2線に相当する位置に独特の黒い線があるのが特長。
線は上下方向ではなく、星?のように広がったような形。
オスの体色は、茶色っぽい赤色でそれほど赤くは感じない。
羽の脈色は、黒ではなく黄色がかった赤か..?

 ◆ 3. 羽の先端が茶色 
   < リスアカネ・ノシメトンボ・コノシメトンボ・  : 3種類 + マユタテアカネのメスは 2-3を参照>
 3-1   リスアカネ
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス      
 メス          
  オス・メス揃って羽の先端にこげ茶色の色があります。

胸の側面の黒い筋は2本目が太く長くて背中近くまで通っており、ノシメトンボに近い。
ただしノシメトンボのほうがより背中まで通っており、リスアカネはやアキアカネの第2線にやや似ている
成熟したオスの腹部は赤色、メスは黄色っぽい。両方とも腹部の下面は黒い。

 3-2   ノシメトンボ
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス      
 メス    
  オス・メス揃って羽の先端が茶色になる代表格の1つです。
胸の黒い筋は、2本目が太く長くて背中まで通っており、3本目は細くて途中で消える感じです。
体長は、赤トンボの中では大型です。
顔面に小さめのマユ(ブタ鼻まではいかない)が見られることも...
成熟してもあまり赤くはならない。というか、赤黒くなる。(リスアカネ、コノシメトンボと比較して、赤くない)
成熟したオスの腹部は上半分が赤黒い色で下は黒っぽい。
そして腹部の黒い節のような模様が、着物の熨斗目模様にも見えるのでノシメトンボでしょうか...?

 3-3   コノシメトンボ
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス    
         
 メス  
         
  ノシメトンボよりやや小型で、羽の先端の色は濃くて、黒色に近いこげ茶色。
成熟したオスは赤色が強く、顔面も赤茶色に見えます。
メスの顔面には、小さな眉があります。(マユタテアカネほど大きな眉ではない)

胸の黒線模様は、2本目と3本目の黒い筋が、上部でつながっている。
 (胸の左側面を見た時の形は、ひらがなの 「 つ 」 の字に見えます)

 3-4   マユタテアカネ・メス(ノシメ型)
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス      
 メス      
  マユタテアカネは、メスの場合は透明なときと羽の先端に色がある場合があります。


 ◆ 4. 羽の一部分が黄色の赤トンボ 
   
 4-1   ネキトンボ
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス      
 メス        
  羽の基部が濃い黄色の赤とんぼ。
オスの身体はほぼ全身が赤くなる。
胸部には、太い黒線が1本ある。

絶対数が少ないのか、あるいは生息地が限られているのか、殆ど出会うことは少ない。

似たトンボのオオキトンボは、羽全体が薄い黄色に色づいています。

 4-2   キトンボ
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス          
 メス          
  羽全体が少し黄色っぽい色をしている。
どちらかと言うと、身体(胴)に近いところのほうが黄色の色が濃いように思います。

 4-3   オオキトンボ
   羽の模様  頭部  肩・背中  胸部  腹部  尾部
 オス          
 メス          
  羽全体が薄い黄色に色づいています。